まずは、温室効果ガスの排出量を大きく減らすんだ。そして、どうしても排出せざるを得なかった分と同じ量を森づくりなどで吸収または除去することで、差し引きゼロにすることをいうんだ。
出典:環境省ウェブサイト
地球の平均気温は、過去100年で約1℃上昇していて、農作物への影響や、短時間強雨、台風の大型化などによる自然災害、熱中症搬送者数の増加といった健康への影響などが見られているんだ。国立環境研究所では、このまま何もしなければ、2100年には地球の平均気温が約4℃上昇し、コシヒカリの収穫量の減少、ブナやハイマツの木の生育域の減少、暑さで亡くなる人の増加などを予測されているんだよ。そこで、気候変動の悪影響を避けるため、気温上昇を2℃より低く、1.5℃に抑えるよう努めることがパリ協定の目標になったんだ。1.5℃以内に抑えるには、2050年までのカーボンニュートラルの実現が必要なんだよ。
どうして温室効果ガスが増えると地球温暖化になるの?
石油や石炭、天然ガスを燃やして電気をつくったり、自動車や飛行機を動かしたりすると、二酸化炭素やメタンなどの「温室効果ガス」が空気中にどんどん増えていくんだ。この温室効果ガスが増えすぎると、太陽からの熱が宇宙に逃げずに地球の表面にどんどんたまってしまい、地球の気温を上昇させてしまうんだよ。
カーボンニュートラルの実現には、わたしたち一人ひとりの省エネの努力と、新しい技術の活用が必要なんだ。だから、化石燃料を使わない発電をしたり、使う電気をできるだけ少なくすることで、そもそも排出されるCO2をできるだけ減らすことが大切なんだよ。でも、CO2の発生を減らすことが難しい分野があり、完全に排出をゼロにすることはできないから、CO2の排出分を埋め合わせるために、CO2の「吸収」や「除去」を行うことが考えられているんだ。たとえば、光合成でCO2を吸収する植物を増やすことや、発生したCO2を回収して溜めたり、再利用したりする新しい技術の研究も進められているんだよ。
CO2の「吸収」を多くする取組みの中で、最も身近な取組みは「森を育てること」なんだ。そのような陸の植物などによって吸収される二酸化炭素を「グリーンカーボン」と呼ぶんだけど、実は海藻や植物性プランクトンなど、海にも二酸化炭素を吸収する生物がいて、その生物が吸収する二酸化炭素を「ブルーカーボン」と呼ぶんだ。だから、陸だけでなく、地球全体の自然を大切にしないといけないんだ。
まず、1つ目にすぐにできる効果的な取組みは、「電気を多く使う家電機器を賢く使うこと」なんだ。たとえば、エアコンを使うときに、ドア・窓の開閉を少なくしたり、扇風機を併用すること、適切な設定温度にすること、必要な時間だけつけることなどがあるんだ。冷蔵庫では、熱いものは冷ましてから入れたり、設定温度を適切にすること、ものを壁から適切な間隔にして、詰め込みすぎないことなどがあるんだ。
エアコンや冷蔵庫の賢い使い方
出典:資源エネルギー庁ウェブサイト
2つ目には、「省エネ型の家電機器への買替え」があるんだ。近年の家電機器は効率が大幅に向上していて、機器を購入するときに、省エネ型の製品を選ぶことが省エネにつながるんだよ。たとえば、約10年前と比べる冷蔵庫は約40~47%の省エネ、テレビは約42%の省エネ、エアコンは約17%の省エネになるんだよ。
3つ目には、「家そのものの省エネ化」があるんだ。日本の家庭で使うエネルギーの約30%を占めているのが冷暖房で、省エネ性能の高い家とは、この冷暖房に使うエネルギーを抑えることのできる家なんだ。冬に部屋の温かい空気が逃げないように、壁や床、天井、窓などの熱を通さない性能を高めること、また、夏に日光の熱が室内に入らないように、植物を植えたり、ブラインドを設置して熱をさえぎる工夫も大切なんだ。
住宅の省エネ化
出典:環境省ウェブサイトCOOL CHOICE「授業、セミナーで使える地球温暖化学習コンテンツ」
資源エネルギー庁ウェブサイト
4つ目には、「再生可能エネルギーの導入」があるんだ。たとえば、住宅の屋根に太陽光発電や太陽熱給湯の設備を導入したり、間伐材などの木のペレットを使う暖房機器を導入するのも良いことなんだ。
カーボンニュートラルの取組みはいろんな方法があるから、みんなもできることから始めてみよう。
より詳しい内容はこちら
・国のカーボンニュートラルに関する経緯・動向
・環境省HP「脱炭素ポータル」内「カーボンニュートラルとは」